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Team Kawanishi vol.13 齋藤晴美さん(令和7年町報かわにし6月号掲載)

 本号(令和7年6月号)では、在宅介護支援センターそよ風の森に所属し、主任ケアマネジャーとして活躍されている齋藤晴美さんにインタビューしました。

齋藤晴美さん

Profile

  • 川西町下奥田在住
  • 社会福祉法人川西福祉会在宅介護支援センターそよ風の森 管理者
  • 主任ケアマネジャー(介護支援専門員)として活動

 

インタビュー内容一覧

 

現在のお仕事に就いたきっかけや理由を教えてください。

 以前は町外で製造業の仕事に就いていました。元々福祉に興味があったこともあり、ちょうどそよ風の森が設立されたタイミングで転職し、介護の道に進みました。

 ケアマネ(ケアマネジャー)の仕事に就いたきっかけは、職場の異動です。介護保険制度が始まった当初は、ケアマネは1人で平均60~70名程の方々を担当していました。平成14年に、担当できる人数が50名未満という決まりになったので、それに対応するためにケアマネの増員が必要になりました。そこで私が異動するかたちでケアマネになりました。

 

普段のお仕事内容を教えてください。

 ケアマネの役割は、利用者さんのご自宅に訪問し、聞き取りを行う中で生活上の課題や困りごとを明らかにし、自立した生活を送れるようにするための支援を行うことです。利用者さんが介護サービスを利用するためのケアプランを作成します。

 また、利用者さんと事業者の間をつなぐこともケアマネの役割です。選定したサービスが利用者さんの満足がいくものとなっているのか、自立した生活に近づくことができているのか等をモニタリング訪問して、サービスが適切なのかをチェックすることも求められています。

 それから、介護保険の給付管理業務も行います。サービスの利用料が適正に請求されているかの管理等も行います。

 他にも、介護保険更新時の代行申請や、医療機関との連携、施設入所などの相談、地域資源の情報提供やつなぎの役割、利用者さんのみならずご家族からの相談など多岐にわたります。

 

介護支援を行う中で、特に大切にされていることは何ですか?

 利用者さんやご家族と信頼関係を築いていくことが大切です。相談しやすい、話しやすいと思っていただけるような関係づくりができるように活動しています。そのために、話を聞く姿勢を大切にしています。「一緒に考えましょう」という姿勢で接しています。その際に、私が意識するだけではなく、利用者さんやご家族にも私の姿勢を感じてもらうことが大切です。信頼関係を築いてはじめて適切な支援ができるようになると思っています。

 また、私は「ケアマネになりたての自分を忘れない」という絶対的な思いを持っています。利用者さんのことを一生懸命知るという姿勢を大切にしています。経験値に頼りすぎず、「ある程度知識を持った新任ケアマネ」という心積もりで取り組んでいます。

 

仕事をしていて「やりがい」を感じる瞬間はどのようなときですか?

 利用者さんの喜怒哀楽や、そのような仕草を確認できたとき、生き生きとしているところが感じられたときは、対応して良かったんだと思い、ほっとします。喜怒哀楽を見せていただけるということは、ある意味私に信頼を持っていただいていると感じています。普通は知らない人や距離が遠い人にはそのような仕草は出さないと思います。だからこそ、それを確認できたときに、認めてもらえたと実感するのです。これがやりがいという言葉につながるのであれば、私は日頃からやりがいを感じられる機会をたくさんいただいているので、何かのポイントでやりがいを感じているケアマネさんより、得しているのかもしれません。

 私はケアマネをはじめて今年で23年目になります。ケアマネ人生の中で、10年以上関わらせていただいた利用者さんが複数名いらっしゃいます。ケアマネになりたての頃は、厳しい声もたくさんいただきましたが、最後にご家族に挨拶させていただいたときに、「齋藤さんで良かった」と言っていただいて、今までやってきたことは間違いなかったんだと感じてほっとしました。

 

利用者さんやご家族とコミュニケーションをとるときに、特に心がけていることを教えてください。

 「話す」「聞く」「伝える」の3つを強く意識しています。まずは利用者さんに語っていただかなければいけません。私たちは、それを受け止めていく必要があります。

 また、障がいを負ってしまってうまく発言ができなくなってしまった方や、認知症により状況を上手く伝えることができない方がいらっしゃいます。そのとき、話すことだけがコミュニケーションスキルではないので、表情だったり、声のトーンだったり、仕草だったり、すべてを使ってコミュニケーションを取るように意識しています。

 

介護支援の現場で感じる課題を教えてください。

 法改正が進み、高齢者だけではなく、障がい者や生活困窮者、ヤングケアラーなど、地域のみなさんを支えていくことがケアマネの役割になりました。その中で、業務内容に追いついていない自分がいることが課題です。

 ケアマネの人材不足も問題です。定年延長などが考えられるかもしれませんが、果たして高齢になる中で利用者さんに不利益を与えずに仕事ができるかということが考えられます。

 利用者さんの中には、「施設に行きたくない」「子どもがいる関東圏に行きたくない」とおっしゃる方が多いです。やはり、川西町に最後まで住めるような地域づくり、地域共生社会の実現に向けて、自分もその一助になれるように学んでいきたいと思っています。

 

ご自身が思う「良いケアマネジャー」はどのような人ですか?

 ベースは、利用者さんやご家族と信頼関係を築けることです。さらに加えるとすれば、「自立支援に資する」「本人の意思決定を尊重した支援」ができることが良いケアマネの条件だと思います。ご本人が最終的には自立できることや、障がいを負ってしまったとしても残された能力で可能な限り自立した生活を送ることができるようになるための支援が私たちに求められた役割です。

 

今後の目標を教えてください。

 事業所としては、後継者を見つけて育てていくことです。ケアマネとしての私の思いを若い人たちに引き継いでもらえるようにしたいと思っています。利用者さんをしっかり見て、しっかり関われる関係づくりが必要なんだということを伝えていきたいです。

 川西町の福祉関係者としては、若い世代の関係者が前を走りやすいように一緒に、地域共生社会の実現に向けて進んでいきたいです。

 私個人としては、自分の支援方法をこれからも大きく崩すこともなく続けていきたいです。今まで200名以上もの方々を支援させていただきました。20年以上かけて学び、実践してきたことを活かして、これからもお一人おひとりと向き合うことによって、利用者さんが「川西町で最後まで自立した生活をしていく」ための支援者の一人になれれば良いと思っています。

 

Information

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