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Team Kawanishi vol.14 情野純子さん(令和7年町報かわにし8月号掲載)

 本号(令和7年8月号)では、アスパラガス農家として活躍されている情野純子さんにインタビューしました。

情野純子さん

 

Profile

  • 川西町吉田在住
  • 令和2年から就農。今年で6年目。アスパラガスを中心に栽培を行っている。
  • 令和3年度に川西町認定女性農業者に認定。

 

インタビュー内容一覧

 

農業をはじめた経緯や理由を教えてください。

 父がアスパラガスの栽培を始めたことがきっかけです。父は、お米と大豆を栽培している中で、令和元年頃から新たにアスパラガスの栽培を始めました。父がアスパラガスを苦労して育てているところを見て、手助けしたいと思い、令和2年から就農しました。

 

就農してみていかがでしたか。

 就農当初は、知識がなく、マニュアル通りにやってもうまくいかず、たいへん苦労しました。失敗もたくさんしました。マニュアルにはタイミング、温度、風、雨上がりの状態など細かいことは書かれていません。やみくもにやってもダメだと分かり、タイミングが非常に重要だと感じました。また、栽培が上手な人は手間を惜しまないということを改めて実感しました。

 経験を積んでいく中で、アスパラガス栽培仲間とのつながりが増え、お互いに情報交換をしたり、フォローしあったりしています。

 

暑い日が続いています。栽培への影響は出ていますか。

 昨年なども暑い日が続き、アスパラガスが奇形になったり、収穫量が少なくなったりしました。高温障害で最初の芽が育たず、硬くなったり、穂先が開いて品質が悪くなったりします。特に雨が少ないことが問題であり、水不足の影響が大きいです。水分がないとアスパラガスは硬くなり、折れたり、頭から割れたりしてしまいます。アスパラガスは見た目が重視される野菜なので、商品価値が大きく下がってしまいます。

 昨年の影響から設備の重要性を痛感したので、今年から自動灌水設備を導入しました。パイプとチューブを使い、点滴灌水を行います。まだまだ暑すぎることによる影響は出ていますが、昨年の同時期よりもアスパラガスの品質を保つことができています。

 この設備は、栽培仲間から譲ってもらいました。また、設備の設置も仲間に協力いただきました。本当に感謝しています。

 

1年間の仕事の流れを教えて下さい。

 春は雪解け後すぐ3月頃から作業が始まり、11月中旬頃まで続きます。一番の繁忙期は春の5月と、夏秋採りの8月です。春の収穫期間はだいたい4月20日頃から6月10日頃までで、朝晩2回収穫します。夏秋採りは7月上旬から10月初め頃までと長く、芽が出なくなるまで毎日収穫します。朝生えていたものが、次に見た時には10cm伸びていることもあります。通常は29cmの長さで収穫を行っています。

 

1日の仕事の流れを教えてください。

 繁忙期は、朝4時頃から畑に入り、7時頃まで収穫します。収穫時間は時期や作業に取り掛かる人数によって変わります。その後は選別作業を行い、朝食後、販売店への納品や出荷作業を行います。午後は畑のメンテナンスとして消毒や不要な下枝の除去を行います。下枝を放置すると混み合って収穫部分が見えなくなり、病気の原因にもなってしまうのでメンテナンスが大切です。消毒は1週間から10日に1回程度行います。夏秋は親茎を立てているため、消毒が必要です。親茎が光合成することで新しい若芽が出てくるので、親茎が元気でないと若芽も育ちません。病害虫から守るために畑の環境維持が大切です。

 繁忙期以外は、農家仲間と会うことが多いです。夏は納品が終われば少し時間が取れるので、午後に仲間に会いに行ったり、子どもと遊んだりします。

 

情野さんにとっての農業の魅力ややりがいを教えてください。

 早朝の作業のときに見れる美しい景色は魅力的です。美しい景色を独り占めしているような贅沢な感覚になります。また、自分で手をかけたものが販売され、お客様に喜んでいただけることが大きなやりがいです。それから、生産者仲間と交流するときも楽しいです。上手な方から指導を受けたり、困ったことはみんなで聞いたりします。忙しくつらいときはみんなで励まし合っています。

 

アスパラガスのおすすめの食べ方を教えてください。

 私は焼いて食べるのが好きです。春は柔らかく、夏はシャキシャキと食感が違います。お客様の中には、ケーキやポタージュなど、様々な料理で工夫して食べている方もいらっしゃいます。特に夏の茎元は筋張ることがあるため、ポタージュにしたりしているようです。インスタグラムでレシピコンテストを開催し、さまざまなレシピを応募いただきました。今後もさまざまなテーマで開催してみたいと思っています。

 

ご自身の活動を発信されているInstagramアカウントについて教えてください。

 Instagramを毎日日記のように更新し、作業風景などを投稿しています。お客様からは「こういうことしてるんだ」と興味を持たれ、アスパラガスや作業の様子を楽しみに見てくださる方もいます。購入された方がインスタグラムに投稿してくださったり、SNSからつながって購入いただいたりすることもあります。

 他にもスタッフさんが親戚に送ってくれたり、リピーターになってくれたり、以前の勤務先の方が買いに来てくださったり、噂を聞きつけて連絡をくださることもあります。東京のお客様は地元の野菜を求めています。朝採りしたものを当日中に送り、翌日には到着するようにしており新鮮さが喜ばれています。贈り物にする際も、小分け対応など柔軟に対応しています。

 

仕事と子育てを両立するために工夫されていることはありますか。

 早起きすることと、主人の協力が不可欠です。春は子供の朝食を作るために逆算して早く起き、子供が起きるまでに収穫を済ませます。夏は親茎があるため収穫に時間がかかるので、主人が朝食の準備や、子どもを学校に送り出してくれています。家族の協力は本当に大切です。

 

7月13日に東京都の「DAEDOKO丸ビル店」のイベントで川西町産の食材を使ったメニューが提供されました。情野さんのアスパラガスもメニューに活用され、お客様に楽しんでいただきました。イベントに参加された感想を教えてください。

 アスパラガス は、ステーキに、ニンニクと共に添えられていました。ボリュームがあり、とても美味しかったです。今回私も含め複数の川西町の生産者が企画し、生産者が大切に育てた異なる作物が一つの料理になったことに感動しました。川西町のものがこんなに美味しいのだと改めて実感しました。お客様も「美味しい」と喜んでくださり、特にむくりぶなが前菜として好評でした。多くの方にお越しいただき感謝しています。

 イベントの中でお客様とたくさんお話しをし、多くの方と交流を深めることができました。

以下、イベントの様子

 

今後、新たに農業を始めたいと考えている方々に何かアドバイスはありますか?

 農業はとにかく楽しいので、ぜひチャレンジして仲間になってほしいです。厳しい産業と言われますが、やり方次第で楽しくできる仕事だと思います。一人で黙々と行うイメージもあると思いますが、今は積極的に交流し、情報交換やコラボイベントを通じて楽しいことにつなげられると感じています。楽しみながら取り組むことが大切だと思います。

 

今後の目標を教えてください。

 本格的に米作りにも取り組みたいと考えています。アスパラガスについては、スタッフさんに任せられる部分が増えてきたため、米作りにも注力していきます。

 また、アスパラガスの加工品を作りたいと思っています。ダリヤ園など川西町の施設に置けるような商品にしたいと考えています。ご縁で埼玉県の株式会社佐藤留美商店様にご協力いただき、アスパラガスの漬物を開発しました。アスパラガスのまた違った味わい方としてぜひお楽しみいただきたいです。詳しくは、情野農園公式Instagramアカウントこのリンクは別ウィンドウで開きますをご覧ください。


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 情野農園の日々の様子やお知らせ情報は、情野農園公式Instagramアカウントこのリンクは別ウィンドウで開きますをご覧ください。


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