本号(令和7年10月号)では、株式会社銘菓の錦屋で代表取締役社長を務める片倉望(のぞみ)さんにインタビューしました。
片倉 望 さん
Profile
インタビュー内容一覧
主に工場での製造作業や、商談、販売など多岐にわたる業務を担当しています。毎朝、朝一で工場の稼働の準備を行います。その後スタッフのみなさんが集まりましたら朝礼を行い、1日の流れや作業の予定を説明し、コミュニケーションをとります。商談では、商品販売の依頼や、資材や材料の仕入れに関する調整を行っています。
地域に生かされている存在として、美味しいお菓子を提供し、みなさんに喜んでいただくことが1番だと考えています。それから、業務を朝一からスムーズに稼働できるように心がけるなど、スタッフのみなさんにとって働きやすい職場にすることを大切にしています。経営者として、お客様やスタッフのみなさんのためにお役立ちすることを最優先に考えています。
新しい商品は、出会いから生まれることが多いです。だからこそ、私は出会いを大切にしています。
例えば、新商品の涼しん棒(佐藤さんの夏いちご)(川西ダリヤ園で限定販売)やサイダー(錦屋本店で販売)は、町内のいちご農家の佐藤悠さんとの出会いから生まれました。佐藤さんとは知り合いからの紹介で出会いました。ケーキなどお菓子の主役で活用されるいちご。見た目が重要な果物です。したがって、多少見た目が違うB品C品を活用できず廃棄になることが多いそうです。廃棄が多くなってしまうことが、佐藤さんにとって大きな課題でした。それを今回いちごを加工して氷菓やサイダーにすることによって、いちごを廃棄にせずに活用できることがわかりました。お互いにとってメリットがあることだということがわかり、新しい商品の開発が実現しました。
お菓子は、材料がなければできません。農家さんに提供いただけるからこそ商品化できます。人との出会いがとても大切だということを強く実感しています。
外に出て直接人とお会いすることを大切にしています。コロナ禍を経験して対面で会うことの大切さを再認識しました。今は何かお誘いがあれば、積極的に参加するようにしています。以前は忙しさを理由にお断りすることもありましたが、今は仕事を調整して参加するようにしています。
講師の方から直接お誘いいただいたことがきっかけです。米沢のりんご農家さんと連携して開発した商品を紹介したInstagramの投稿を見たことをきっかけに直接来店され、人財塾にお誘いいただきました。
※1 川西みらいづくり人財塾 起業や新規事業のアイデアを形にし、成長させるための実践型プログラム。川西町で6月~9月にかけて計6回開催しました。
出会いと学びが広がった貴重な経験でした。講師や他の参加者のみなさんから多くのことを学び、知識や知見が広がりました。それから、塾をきっかけに久しぶりに再会できた方もいるので嬉しい経験でした。
人財塾は異業種での集まりでした。人財塾のような異業種の集まりをこれからも続けていければ、交流をつうじてもっとおもしろい地域になると可能性を感じています。地域全体が発展していってほしいと思っています。
特に、生成AIの活用方法に関する講義が参考になりました。これまでコンサルタントを頼っていた業務を一部置き換えて活用しています。アイデア出しや未来予測などに役立っています。
それから、塾でみなさんと交流する中で、他責にしないことの重要性も学びました。以前は業務が進まない理由を人のせいだと考えてしまったことがありました。その考えは良くないことであり、自分で行動を起こし、やり続けることの重要性を実感しました。
農家さんと連携し、地域の農産物をお菓子にして東京や首都圏で販売し、地域の良さを町外に発信していきたいです。お菓子を通じて地域を知っていただき、観光につなげたいと思っています。他産業同士で協力して掛け算を生み出すことによって、地域の発展を目指していきたいです。
伝統を守りつつ、新しいことにチャレンジする姿勢に注目してほしいです。サイダー開発のように、これまで錦屋が取り組まなかった分野にも挑戦しています。私自身社長に就任して3年目になります。新たな出会いも増え、よりチャレンジしやすくなりました。今後もチャレンジ精神を持ち続けて頑張っていきます。
Information
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